
畳の話
夏は涼しく冬は暖かい畳は、快適な湿度を保ち、天然の空気清浄機としてお部屋の空気をきれいにしてくれます。い草の香りには鎮静効果があり、まるで森林浴をしているような心地よさ。赤ちゃんや高齢者にとっても理想的な素材です。
畳の選び方


●素材で選ぶ
畳の芯となる「畳床」は、もともとはワラが使用されていました。近年、天然素材の代わりに、木材や発砲スチロールを使った品質の良いものも多く、マンションなどによく使用されています。ワラは畳が長持ちし、柔軟、断熱性、吸湿性などに優れているのが特徴です。
畳表については、い草が代表的です。い草の匂いには鎮静効果あり、リラックスできます。その他には、琉球表、和紙表、化学表などがあります。
●お部屋のイメージで選ぶ
和室でもモダンでおしゃれなお部屋にしたいなら、、近年よく見られるようになった琉球畳などがおすすめです。正方形のため、色味が違う畳を交互に置く市松模様もお楽しみいただけます。
縁のデザインも色も豊富なので、畳の色味と合わせてお部屋のイメージににピタリな畳を選んでみてはいかがでしょうか。
また、縁なしタイプは畳の仕切りがないので広く感じることができます。

畳の交換方法
●畳の裏返し
畳の畳表(ゴザ)は両面使用できます。裏面がきれいな状態であれば、裏返しにして使用することにより、新品のような状態で同じ畳を引き続き使用することができます。通常畳は2~3年で裏返し、裏返し後4~5年程度で表替えが一般的な目安です。
●畳の表替え
表替えとは、既存の畳床を利用して、畳表を新しく替えることです。芯はそのままですが、表の部分を新しくするため、い草の香りなどが心地よく新品のような感覚でご使用いただけます。
●新畳の入替え
新しい畳を使用してから約10年、畳床が劣化した時が新しい畳に替えるタイミングです。縁のデザインを変えたり、交換前の畳と違ったデザインにしてみるのもおすすめです。

畳の種類

●縁あり畳
昔から変わらず愛されてきた伝統的な畳です。畳床、畳表、畳縁の構造からできていて、それぞれお好みに合わた素材をお選びいただけます。特に畳縁は、色や柄、素材が豊富なため、じっくり吟味することが可能です。

●縁なし畳
近年、人気が高いのが縁のない畳(琉球畳)です。現代風の建築物の間取りにあわせて大きさや形を変えられるだけでなく、織り方や敷き方などの組み合わせによってデザインにもこだわることができ、フローリング敷き畳などとしても需要が高まっています。

●床の間
床の間には、畳表に特殊な龍髭表を、畳縁に高麗紋縁か座敷と同じものを主に使用します。最近は、お手頃な薄縁と呼ばれる畳表も床の間畳として人気です。
畳表の素材
●龍髭表
主に床の間に用いられる独特な畳表です。
あらかじめ天日にさらして綺麗に焼けた状態のい草を織り上げ、日焼けなどをして色むらができないようにしています。
●目積表
一般的な丸い草を使用し、琉球表に似た織り方をします。特徴は、ほかの畳表に比べ、目の幅が細いこと。縁なし畳によく用いられ、上品な見た目とリーズナブルな価格で近年需要が高まっています。
●化学表
畳床に従来のワラではなく、耐久性に優れるポリプロピレンと吸湿性炭酸カルシウムを配合したものや、ポリプロピレンと無機質な材料と発泡剤を入れて製造したものなどがあります。
天然い草と比較して、日焼けや毛羽立ちは少ないものの、経年による汚れが目立つように感じます。
●琉球表
琉球表には、断面が三角状になっている特殊な七島い草を使用します。高級で、とても強靭で耐久性がよく、感触や香りが独特で使えば使うほど味わいが増していきます。縁なし畳に多く用いられています。
●和紙表
天然の和紙をを樹脂でコーティング加工し、織り上げた畳表です。撥水性があり、お手入れも簡単です。ダニ・カビが発生しにくく、アトピー性皮膚炎やアレルギーの症状がある方にも安全にお使いいただけます。

畳のサイズ
畳には、地域によって様々なサイズが存在します。
●京間・本間
大きさ:6尺3寸×3尺1寸5分(191cm×95.5cm)
主に使用されている地域:京都をはじめとした関西地方
●六一間
大きさ:6尺1寸×3尺5分(185cm×92.5cm)
主に使用されている地域:岡山、広島などの近畿、中国地方の一部
●中京間(三六間)
大きさ:6尺3寸(182cm×91cm)
主に使用されている地域:岐阜、愛知、三重などの中京地方。また岩手、山形、福島、北陸地方などの一部
●江戸間(五八間)
大きさ:5尺8寸×2尺9寸(176cm×88cm)
主に使用されている地域:東京をはじめとする関東、東北地方など東日本の大部分。今では全国的な標準規格。
●団地間(五六間)
大きさ:5尺6寸×2尺8寸(170cm×85cm)
主な地域:公団住宅やアパート、マンションなどの集合住宅